会社を作る前後に、考えておきたいお金のこと5つ

会社を作る前後に、考えておきたいお金のこと5つ

会社を作る前後は、やることがたくさんあります。営業先を探したり、契約書を準備したり。経理や税金のことは、つい後回しになりがちです。

ただ、お金に関することの中には、決める時期や手続きの期限があるものもあります。

この記事では、会社を作る前後に考えておきたいことを5つ紹介します。専門用語を覚える必要はありません。まずは「何を決めておく必要があるのか」を押さえておきましょう。

目次

1. 会社の1年を、何月で区切るか

会社は、一定の期間ごとに売上や経費を集計して、利益や税金を計算します。この締めくくりが「決算」です。

例えば、4月から翌年3月までを会社の1年とするなら、3月が「決算月」になります。

決算月は、3月や12月にする必要はありません。会社の仕事の流れに合わせて決められます。

考えておきたいのは、本業が忙しい時期と、決算に関する作業が重ならないかということです。決算後には税金の申告や支払いもあるため、お金に余裕がある時期かどうかも見ておきましょう。

設立してから最初の決算までを、長めに取る方法もあります。ただ、長ければ必ず得になるわけではありません。

「何月なら、数字を確認する時間と、税金を払うお金を確保しやすいか」という視点で考えてみてください。

2. 会社を始めるためのお金を、いくら用意するか

会社を作るときに、出資者が会社に出すお金のうち、資本金として計上するものを「資本金」といいます。社長が自分でお金を出して会社を作る場合は、そのお金がもとになります。

資本金は、会社に置いたまま使えないお金ではありません。会社の備品を買ったり、家賃を払ったりするためにも使えます。

金額を考えるときは、まず次の支払いを整理しましょう。

  • パソコンや設備など、最初に必要なもの
  • 商品の仕入れや事務所の家賃
  • 売上が入金されるまでにかかる費用

仕事を受けてから、お金が振り込まれるまでには時間がかかることがあります。その間の支払いも見込んでおくことが大切です。

また、資本金の額は消費税にも関係します。資本金1,000万円未満で設立した会社は、最初の期の消費税を原則として納めなくてよい扱いになります。

ただし、インボイス登録をする場合や、大きな会社との資本関係など一定の条件に当てはまる場合は例外です。

「税金がかからない金額にする」だけでなく、事業を続けるために必要なお金から考えましょう。

3. 社長の毎月の給料を、いくらにするか

社長などの役員に会社が支払う給料を「役員報酬」といいます。

これは、「今月は売上が多かったから増やそう」と気軽に変えると、税金の計算で不利になることがあります。

毎月支払う役員報酬は、原則として毎月同じ金額にすることが、会社の税金を計算するときに経費として認められるための条件の一つです。

通常、金額の変更は会社の新しい年度が始まってから3か月以内に行います。特別な事情がなく、年度の途中で増額すると、増やした分が税金の計算上の経費として認められません。

創業時は、次の3つを見ながら考えましょう。

  • 毎月、どのくらいの売上を見込めるか
  • 家賃や仕入れなどを払ったあと、会社にいくら残るか
  • 社長自身の生活費がいくら必要か

税金や社会保険料の負担もあるため、売上の見込みをそのまま給料に回せるわけではありません。

会社を作ったら、早めに金額と支払いを始める時期を相談しておきましょう。

4. インボイス登録と、消費税の計算方法をどうするか

インボイスとは、登録番号や税率など、決められた項目を記載した請求書や領収書のことです。

取引先が消費税を計算する際に必要になることがあるため、「インボイス登録をしていますか」と聞かれる場合があります。

ただし、会社を作ったら必ず登録しなければならないわけではありません。取引先が必要としているか、登録すると自社の負担がどう変わるかを確認して決めます。

登録すると、資本金1,000万円未満の会社でも、原則として消費税の申告と納税が必要になります。

消費税の計算方法にも選択肢があります。主なものは、次の2つです。

  • 原則課税
    売上にかかる消費税から、仕入れや経費にかかった消費税のうち、差し引けるものを引いて計算する方法
  • 簡易課税
    実際の仕入れや経費の額ではなく、売上と業種ごとの一定の割合を使って計算する方法

簡易課税は、使える会社の条件が決まっており、税務署への届出も必要です。届出期限は原則として適用を受ける期間が始まる前ですが、会社を作って事業を始めた最初の期には、その期の途中でも間に合う場合があります。

また、一度選ぶと、原則として2年間は続ける必要があります。

「簡単そうだから」という理由だけで決めず、売上や仕入れ、設備の購入予定を伝えて、どちらが合うか確認しておきましょう。

5. 日々のお金の記録を、どう残すか

経理とは、会社に入ったお金や、使ったお金を記録して整理する仕事です。

最初は取引が少なくても、数か月分をまとめて処理しようとすると、「この支払いは何だったかな」と調べる時間が増えてしまいます。

最初に、次の4つを決めておくと進めやすくなります。

  • 会社と個人のお金を分ける
    会社の支払いには、できるだけ法人用の口座やカードを使います。
  • 会計ソフトを決める
    freeeなど、お金の動きを記録するソフトを選びます。誰が入力し、誰が確認するかも決めておきましょう。
  • 請求書や領収書の保管場所を決める
    紙で受け取ったものと、メールなどで受け取ったデータを、それぞれどう保存するか確認します。
  • 毎月、確認する日を決める
    例えば「前月分を翌月10日までに整理する」など、無理なく続けられる日程を決めます。

会計ソフトを入れても、何のために使ったお金かまでは、自動で正しく判断できるとは限りません。

まずは、毎月どれだけ売れて、いくら使って、あといくら使えるのかを確認できる状態を目指しましょう。

まずは「いつまでに何をするか」を確認する

ここまで紹介したことに加えて、会社を作ったあとには、税務署などに提出する書類があります。

例えば、一定の税務上のメリットを受けられる「青色申告」を利用するには、申請が必要です。

最初の期から利用する場合の申請期限は、原則として、次のうち早い日の前日です。

  • 会社の設立日から3か月を経過した日
  • 最初の決算日

最初の決算が早い会社は、設立から3か月たつ前に期限が来ることもあります。

すべての制度を覚えてから会社を始める必要はありません。まずは、自分の会社で必要な手続きと期限を確認することから始めましょう。

税理士に相談するときも、売上の見込み、毎月かかる費用、社長自身に必要な生活費が分かれば、具体的な話を進めやすくなります。


参考:国税庁

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